絶滅危惧種「ムカゴサイシン」に酷似 筑波実験植物園が新種発見

2016.1.3 08:39

新種のラン「ムカゴサイシンモドキ」(遊川知久研究員提供)

新種のラン「ムカゴサイシンモドキ」(遊川知久研究員提供)【拡大】

  • 絶滅危惧種に指定されているラン科の「ムカゴサイシン」(遊川知久研究員提供)

 絶滅危惧種に指定されているラン科植物「ムカゴサイシン」に似た新種を、国立科学博物館筑波実験植物園(茨城県つくば市)が発見したことが分かった。形状はそっくりだが、ムカゴサイシンとは異なる遺伝子で「ムカゴサイシンモドキ」と命名。保全へ向けて新種ランの成長に不可欠な菌類の解析を進めている。

 同園の遊川知久研究員によると、ムカゴサイシンモドキは九州南部(宮崎、鹿児島両県)と沖縄県の計4カ所で見つかり、主にムカゴサイシンの群生に紛れて生えていた。ムカゴサイシン保全のため、同園は約10年前から群生などを調査。自生地の株の遺伝子を解析する中で、異なる遺伝子の新種を見つけた。

 高さ約6センチの花茎で、くちびる状の花びら(唇弁(しんべん))の模様と一部の花びらにある短い毛の有無が異なる。新種発見は米国の植物分類学会誌にも発表された。

 ラン科の植物は発芽や成長に菌類の存在が必要だが、ムカゴサイシンモドキの菌類の性質などは分かっていない。同園は繁殖や保全に向けて菌類の解析を急ぐ。遊川研究員は「他の場所でもムカゴサイシンモドキが見つかる可能性はある」と話している。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。