画期的なのは効用だけではない。治療薬は患者以外の健康な人の細胞から製造する日本初の「細胞性医薬品」なのだ。
用いるのは、骨髄から採取した、さまざまな細胞に分化する間葉(かんよう)系幹細胞。幹細胞は、炎症を抑え、細胞を修復する機能があるほか、患部に集まるという特性がある。治療ではこの薬を点滴で投与することで、GVHDの原因となる過剰な免疫反応を抑える効果があるという。
製品化したのは芦屋の中堅製薬会社
大阪・梅田から阪神電気鉄道で神戸方面へ、特急と各駅停車を乗り継いで約20分。阪神打出駅を降りてすぐ、細い路地に同社の本社がある。
昭和50年創業、従業員約450人。細胞の培養技術などを利用したバイオ医薬品の開発を得意とする中堅製薬会社だ。「研究所は神戸市郊外に別にあるが、本社が芦屋で不便と感じたことはない」と芦田信社長は言い切る。