タガメやゲンゴロウといえば、カブトムシやクワガタに勝るとも劣らぬ、子供たちに人気の水生昆虫だが、その姿を見ることができなくなっている。池や沼が減り、水質が悪化するなど生息環境の変化や繁殖の難しさから個体数が激減。淡水生物を扱う国内最大級の施設である滋賀県立琵琶湖博物館(同県草津市)では、今月1日からの一部エリアの改装工事を機に好評だった展示を取りやめた。他の施設でも飼育や展示に苦労しており、今後、観察や展示できる場所はますます限られてきそうだ。(桑波田仰太、和野康宏)
タガメは抜群の人気
琵琶湖のほとりに建つ琵琶湖博物館では魚類を中心に170種、1万7千点の淡水生物を飼育・展示している。
改装工事では、世界で唯一、淡水域に生息するアザラシ「バイカルアザラシ」の水槽や、琵琶湖の生態系を支えるプランクトンを大画面で観察できる「マイクロアクアリウム」などが水族展示室に新設され、来年7月にリニューアルオープンする。
一方、タガメやゲンゴロウ、魚類など約20種類の飼育・展示は取りやめることになった。