タガメ、ゲンゴロウ…消えた水生昆虫 博物館でも飼育や展示難しく (2/4ページ)

2015.9.27 07:02

琵琶湖博物館で飼育・展示してきたゲンゴロウ

琵琶湖博物館で飼育・展示してきたゲンゴロウ【拡大】

  • 琵琶湖博物館で飼育・展示してきたタガメ
  • 水族展示室などのリニューアル工事が始まった滋賀県立琵琶湖博物館

 タガメやゲンゴロウは、淡水域に生息する代表的な水生昆虫。特にタガメは、鋭い爪のついた太い前脚を持ち、ヤゴや小魚、カエルなどを捕らえて血液などを吸収するなど、形や生態などから水生昆虫では抜群の人気を誇る。

 繁殖で増やす

 タガメとゲンゴロウの飼育・展示は平成8年の開館時から行い、毎年約50匹を繁殖させ、そのうち10匹程度を水族展示室で常設展示してきた。

 開館時、県内ではタガメやゲンゴロウの生息数は減少し、なかなか目にする機会はなかった。池や沼の減少、農薬による水質汚濁、外灯の増加などで激減したとみられ、現在は両種とも環境省のレッドリストで絶滅の危険が増大している「絶滅危惧II類」に分類される。

 水生昆虫の飼育・繁殖を開館以来担当する桑原雅之・総括学芸員は「地元で個体を捕獲できず、他の水族館から成虫のつがい1組と卵を譲り受け、繁殖させてきた」と振り返る。

少ない個体数では長くて5年で繁殖できなくなってしまう

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