■物理的に宇宙ゴミを掃除する“パックマン方式”
このGESTRAのプロジェクトと同時期にスイスで発表された宇宙ゴミ対策はなんと“パックマン計画”である。今や懐かしいレトロなビデオゲーム『パックマン』のように、衛星軌道上で食欲旺盛に宇宙ゴミをパクっと“食べて”回収し、その後は大気圏に再突入して、自分もろとも燃え尽きるという宇宙の“お掃除係”だ。
この“パックマン計画”は、先頃、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)を中心とした開発チームが発表した、虫取り網のようなネットでEPFLの小型人工衛星を捕獲して処理する計画「The CleanSpace One project」だ。
宇宙ゴミとなった小型人工衛星を捕獲する。
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現在スイスが運用している人工衛星は「スイスキューブ」という直径10センチほどの立方体の小型人工衛星である。このキューブ型人工衛星は開発期間が短く、打ち上げも他の大型人工衛星に“相乗り”して行なえることから低コストで運用できるのだが、そのぶん寿命も短いため比較的早く宇宙ゴミ化してしまう。そこでスイスは役目を終えたスイスキューブを回収処分する今回の計画を立ち上げたのだ。