5月21日の神奈川県平塚市での説明会には、企業の物流担当者約30人が参加。JR貨物の営業担当者が「おおむね500キロメートルを超える輸送なら、トラックよりも価格面で優位に立つ可能性が大きい」などとアピールした。東京都内の調味料メーカーの担当者は「新興国の需要拡大で、海外からの原材料費も値上がりしている。価格競争力維持の面でも鉄道利用は有効かもしれない」と期待を寄せる。
同じ貨物を同じ距離運んだ場合、CO2排出量は、鉄道はトラックの9分の1とされ、環境に優しいイメージが強いが、それだけでは荷主は納得しない。
鉄道貨物の現場では長年、12フィートコンテナが使われてきたが、物流現場ではトラックの大型化が進んだ。このため、鉄道利用への転換には、積み込みや積み卸し作業が必要となり、荷主の多くが鉄道利用を躊躇(ちゅうちょ)した。またかつては貨物駅で行き先ごとに貨車を付け替え輸送時間がかかり、「鉄道は使いづらい」とされていた。
こうした声に応え、JR貨物は12年度から、内容積が10トントラックとほぼ同じ31フィートコンテナを所有、15年度中には現在の60個から100個に増やす。列車ダイヤも、貨物駅での貨車の付け替えを極力減らすよう駅を改良、高性能の機関車も投入し、所要時間の短縮を図っている。