日産の国内販売の救世主 “あり合わせ”のノートe-POWERがヒットした4つの理由 (6/6ページ)

2017.4.16 13:02

近年のこのクラスにはない広いリヤスペースを備えたインテリア
近年のこのクラスにはない広いリヤスペースを備えたインテリア【拡大】

  • 日産と三菱の合弁会社NMKVが生産する軽自動車デイズ・ルークス。兄弟車のデイズとともにここ数年の日産の国内販売を支えたモデルだ

 日産によれば、家族4人でいろいろに使えるクルマを目指しており、夫婦が二人で、あるいは免許を取った息子が、家族揃って、という風に、老若男女全てが便利で快適に使えるパッケージがノートにはあり、だからこそe-POWERをそういう普通の人達に感じてもらうためにノートを選んだという。

 デビューは2012年。モデルチェンジがあってもおかしくないころ合いだと言うことを割り引くとノートe-POWERは悪くない。これがブランニューで2017年に出たクルマだと言われたら、ドライビングポジションやリヤシートの出来、ボディ剛性など指摘する部分はある。つまり最新世代のクルマと比べると見劣りする部分もあるが、元々の素養の高さと室内空間が広いという他に無い個性がそれを補っており、そこに新しい推進装置を用意したことで上手くプラスに転じている。

 この記事の本題、つまりビジネスニュースとして日産のノートe-POWERをどう見るかと言えば、すっかり固着して動かなかった日産の国内戦略を、短期間の開発かつ、ありものを組み合わせて安価に、そして大いに刺激したと言う意味で大きな存在感を持つ1台だと言えるだろう。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

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