売り場を減らしたのに、業績回復 なぜ崎陽軒のシウマイはバカ売れしているのか (8/8ページ)

2017.4.8 16:10

60年以上前に発売された「シウマイ弁当」は、なぜいまも売れ続けているのか
60年以上前に発売された「シウマイ弁当」は、なぜいまも売れ続けているのか【拡大】

  • なぜ横浜駅で「シウマイ」が誕生したのか
  • 売り場を減らしたのに、なぜ崎陽軒のシウマイはバカ売れしているのか
  • 1950年、横浜駅にシウマイ娘が登場
  • シウマイ娘は小説や映画にも登場した
  • 1954年に発売された「シウマイ弁当」を復刻。いまと違って、エビフライなどが入っていた

金田: ちなみに、現在の社長は「ご飯から食べる」と言っていました。なぜかというと、「駅弁なので、ご飯がおいしくなければいけない」という考え方をしているからなんですよね。

土肥: 昔から食べているので、食べる順番が確立している人が多いのかも。だから「ああだ、こうだ」と言いながら議論が盛り上がるのかもしれません。シウマイはいまから90年ほど前に販売しているわけですが、その間、レシピは何度変えたのでしょうか?

金田: いえ、一度も変えたことはありません。

土肥: ロングセラー商品の話を聞いていると、「時代に合わせて味を少しずつ変えてきた」といった話をよく聞くのですが、シウマイの味は一度も変えていない? それはなぜですか?

金田: 駅弁がルーツだからですね。「このシウマイを食べると、家族で旅行をしたときのことを思い出す」「横浜へ出張に行っていたお父さんが土産に買ってきた」といった声が多いんです。旅の思い出と強く結び付いているので、味を変えることはできないんですよね。変えてしまうと、みなさんの思い出を変えてしまうかもしれません。

土肥: とはいえ、社内からは「いくらなんでも時代に合わせて味を変えようよ」といった意見はなかったですか?

金田: 全くなかったわけではないと思います。それでも「シウマイの味を変えてはいけない。サイズも変えてはいけない」という方針を守ってきました。ちなみに、経木(きょうぎ)の折箱も変わっていません。アツアツのご飯をプラスチックの箱に入れると、時間が経つと水分が出てくるので、ご飯がべしゃべしゃになる。でも木を使うと、その水分をうまく調整することがきるんですよね。時間が経っても、ご飯はモチモチしていて、冷めてもおいしく食べることができる。ということで、経木の折箱も絶対に変えてはいけません。

土肥: 変えないことでファンを増やしてきたわけですね。そして、その方針は今後も変わらないと。本日はありがとうございました。

(終わり)

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