「真空パックシウマイ」が誕生
金田: 次に「シウマイ弁当」を発売することに。1954年(昭和29年)のことですね。
土肥: 「シウマイ」を発売したときにはあまり売れませんでしたが、「シウマイ弁当」はどうだったのですか?
金田: 「シウマイ」の認知度が広がったこともあって、発売当初から弁当の売り上げは好調でした。その後も順調に売れていく中で、1967年(昭和42年)に発売した「真空パックシウマイ」が好評でした。横浜名物として「シウマイ」は売れていましたが、日持ちのいい商品ではありません。お客さんからは「遠くに住んでいる人にお土産として持って行きたいけれど、日持ちのいいモノはないの?」といった声がたくさんありました。
常温で長期保存ができる商品はできないか。当時、真空の技術は普及していませんでしたが、メーカーさんと一緒に共同で開発することに。完成後、どういう商品名にするか2代目社長が検討したところ、「真空」という日本語と、「パック」という英語と、「シウマイ」という中国語を使ってみてはどうだろうかということで、「真空パックシウマイ」が誕生しました。
土肥: えっ、ちょっと待ってください。真空とパックをかけあわせて、「真空パック」という言葉をつくったということですか?
金田: はい。「真空パック」という言葉……いまでは広く使われていますが、実は崎陽軒が最初に使いました。
土肥: な、なんと。ちなみに、商標登録は?
金田: していません。
土肥: うーん、もったいない。