【被災地へ 石油列車】「そういう問題じゃない!」更迭におわす国交省に怒り JR貨物社長が固めた決意 (1/3ページ)

2017.3.27 05:56

東日本大震災の際にJR貨物社長だった小林正明特別顧問=東京都渋谷区のJR貨物本社
東日本大震災の際にJR貨物社長だった小林正明特別顧問=東京都渋谷区のJR貨物本社【拡大】

 計画停電対策に奔走 下地つくる

 東日本震災発生から数日後の早朝、JR貨物の小林正明社長(現特別顧問)の電話が鳴った。相手は国土交通省鉄道局の幹部。「官邸の緊急災害対策本部で被災地の石油不足が議題になっている。被災程度の軽い線路をつないでいけば、石油が運べるんじゃないかという提案もある。検討してくれないか」。断片的な情報しかない中、要請に小林社長は「即答はできません。少し時間をください」と返答した。

 更迭におわせて

 JR貨物は旅客会社から線路などのインフラを借りて運行している。線路の傷み具合や復旧日程もわからない。石油専用の貨車がどこにあるのかも確認に時間がかかる。部下に情報収集を指示したものの、石油が運べるのか、見当はつかなった。

 数時間後、再び国交省から電話が入る。「検討はしましたか」

 小林社長は苦笑した。「重量のある石油列車を走らせられるか、被災状況も含め線路の確認、さらに運行シミュレーションに1カ月はかかる。即答はできませんよ。国交省の決めた安全規定もありますし」

 「できないことはないでしょう。鉄道はつながっているんですから」と国交省側は食い下がる。そんな押し問答が続くうちに、業を煮やした国交省側は小林社長の更迭論をにおわせた。

「そういう問題じゃないだろう」と怒鳴りたいのを抑えた小林社長

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。