フリーペーパー「冬の時代」 R25の終焉が示す業界の苦境 (2/3ページ)

2017.3.2 14:23

若いビジネスマンや女性に支持された「R25」も時代の波には勝てなかった=2011年1月、大阪市中央区(田村慶子撮影)
若いビジネスマンや女性に支持された「R25」も時代の波には勝てなかった=2011年1月、大阪市中央区(田村慶子撮影)【拡大】

 しかし、やがて部数低迷に陥り、15年9月についに紙としては休刊。その後はネットメディアとして運営され、月間1500万超のPVを記録したこともあったが、「計画通り広告が集まらない」(発行元のリクルートホールディングス)現状を打開することは難しいと判断したようだ。

 R25休刊と同じ15年には、アルバイト求人情報誌「an」も首都圏や関西圏の一部地域で休刊した。1967年に首都圏で創刊された同誌は、九州や東海にも拡大したが、求人広告の減少に直面していた。90年以上の歴史を持つ資生堂の企業文化誌「花椿」は15年に月刊誌をとりやめたものの、その後季刊誌やウェブで情報を提供する形にリニューアルした。

 背景には、フリーペーパー業界が抱える厳しい構造問題が横たわる。雑誌の発行の継続は非常にコストがかかるが、とくにフリーペーパーは膨大な印刷費用が必要だとされる。

 「経営が厳しいと特集や企画ページを減らさざるを得ない」(前出の出版関係者)が、内容が薄ければ手に取る読者も当然減る。売り上げの伸びが見込めないので発行部数を抑えれば、クライアントも離れていく。「悪循環に陥り、号数を重ねるにつれ先細りになっていく」(同)のだ。

 それでも、10年以上続いたR25は大健闘した方かもしれない。「5号までいければ立派。実際は創刊号や2号の発刊どまりで消えていくフリーペーパーがいくつもある」(同)というのだから。

WEB転換も一筋縄ではいかず

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