トランプ米大統領は2月28日(日本時間3月1日)、上下両院合同会議で就任後初の施政方針演説を行った。米企業の競争力を高めるため、法人税率を低減し「歴史的な税制改革」を断行すると表明。インフラ整備に官民の資金1兆ドル(約113兆円)を投資する法律の制定を議会に求めた。米軍の再建を誓うとともに、日本などの同盟国に対し「直接的かつ有効な役割を果たし、公平に費用を負担するよう期待する」と強調。国民に融和を呼び掛け「米国を再び偉大にする」と約束した。
演説は約1時間。大統領は「私の仕事は世界を代弁することではなく、米国を代表することだ」と述べ、米国益を最重視する考えを鮮明にした。「米国第一」実現への決意と道筋を示すことにより、低迷する支持率の回復を図る考えだ。
演説では、中間層の大幅な税負担軽減も約束。大規模なインフラ整備推進や規制の大幅削減を表明するとともに、企業の海外移転を「さらに難しくする」と訴えた。さらに「私の当選以来、多くの企業が米国に巨額の投資を表明した」と述べ、ソフトバンクグループの名前を挙げて米国への投資を評価した。
戦争の抑止力としても「戦わなければならない時は勝利するため」にも軍の強化が必要だと述べ、歴史的規模の国防費増額を議会に求める意向を示した。「ギャングや麻薬密売人や犯罪者を追い出す」として、メキシコ国境の壁建設を「すぐに始める」と主張、不法移民や治安対策に全力を挙げると語った。