業務提携の検討にアクセルを踏んだトヨタ自動車とスズキ。トヨタはスズキをグループの陣営に取り込み、次世代技術の標準化に向けた仲間作りを加速する。一方、先進分野で出遅れているスズキはトヨタという後ろ盾を得て、開発のテコ入れを図る狙いだ。
「多方面の技術提携に取り組むトヨタとして、内外の仲間作り、ルールづくりが従来以上に必要となる」
トヨタの早川茂専務役員は6日の決算会見で、スズキと提携に向けた協議を進める意義をこう強調した。
というのも、年間1兆円以上を研究開発投資に費やすトヨタですら、自動運転や環境対応車など次世代技術すべてを全方位的で賄うのは困難なためだ。ノウハウを補完する形での提携や連携などを通じて「トヨタ連合」を形成し、協力して技術の標準化につなげることが将来の勝ち残りには不可欠な条件とみているわけだ。
実際、1月にはインターネットに接続してさまざまなサービスを提供する「つながる車」の標準化を目指す事業体を米フォード・モーターと設立した。環境対応車では、将来の本命と位置付ける燃料電池車の技術開発で独BMWと協力。電気自動車でも、提携するマツダと共同開発を進める。