そこでタイトルにあるトヨタ自動車の話だ。今年の元日、トヨタ自動車は例年出していた元日の大型広告を全て取りやめた。これはマスメディアにとって極めて大きなショックだ。「トヨタに倣え」ということで他の大手企業もお付き合い的な広告から手を引こうとするだろうし、新聞以外のメディアにも影響が及んでいくことは間違いない。
しかし、トヨタにしてみれば合理的な判断だ。「宣伝費を使わずにヒットさせるのが一流」という時代になった今、広告をゼロにするような決断をしてもおかしくない。多くの一流企業が広告を出さなくなる日-。そんな日は意外にあっという間にやってくるだろう。
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【プロフィル】山田俊浩
やまだ・としひろ 早大政経卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。「週刊東洋経済」の編集者、IT・ネット関連の記者を経て2013年10月からニュース編集長。14年7月から東洋経済オンライン編集長。著書に『孫正義の将来』(東洋経済新報社)。