日本の現状を見てみましょう。昔の日本企業は、部品ごとの技術を「知の深化」で磨き上げれば競争力のある製品が生み出せた。しかし現在では、アップル社の製品に象徴的なように、日々変化する顧客のライフスタイルを読み取って製品全体のデザインを提示しなくてはいけない。例えば、ダイソンの掃除機やバルミューダのトースターはそれぞれ5万円超、2万円超と高価なのに大ヒットしています。このように、既存の技術や発想だけにとらわれない「知の探索」が必要なのです。
日本の場合、それを担う技術者・開発者・デザイナーが忙しすぎたり、あるいは職人気質になって社内の殻にこもっていることも多いようです。しかし、それは「知の探索」を怠ることであり、結果として中長期的なイノベーションが停滞してしまうのです。
「両利きの経営」を機能させるためには何が必要か。もちろん、経営者自らが「知の探索」に挑み続けることが重要です。たとえば予算面で「知の探索」と「知の深化」のバランスを取り、両者の間で異なるルールや評価基準をとることを厭わないことが求められます。
最強の相棒を見つける方法
さらに組織で重要なのが、「チャラ男」と「根回しオヤジ」がコンビを組むことだと私は考えています。