丹青社は、エフエム東京グループと共同で、放送と通信とを融合させ、音声によって博物館を体験できる番組の提供を始めた。
スマートフォンを通じて、デジタル地上波の最高音質の音声とともに画像や関連情報を提供する、博物館の新たな可能性を探究する共同研究プロジェクトで、対象作品は丹青社が空間デザインにかかわったJPタワーの学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」(東京都千代田区)に展示されている標本や資料。
同社は博物館の展示デザインや運営サポートを積極的に手掛けており、今回の取り組みで得たノウハウを踏まえて事業拡大につなげていく。
同プロジェクトは、エフエム東京が中心となって設立し、無料デジタル放送「i-dio(アイディオ)」を提供する「TOKYO SMARTCAST」(同千代田区)との共同企画。無料アプリのダウンロードで視聴できる音楽や文化、ニュースを中心としたチャンネル「TS ONE」を通じ、2月まで計13回にわたって「ザ・ミュージアム~耳で聴く博物誌~」という10分間番組をオンエアする。
丹青社は15年にわたって、東京大学で寄付講座「ミュージアム・テクノロジー」を行っており、今回の取り組みはその成果の一環。語り手は東大総合研究博物館の館長でもある西野嘉章・インターメディアテク館長が務める。単に標本の解説だけでなく、その裏側や関連する話題を提供、知的好奇心が触発されるようなソフトにした。