介護事業への異業種参入が相次いでいる。人工知能(AI)技術や情報通信技術(ICT)などの進展を背景に、電機メーカーや警備会社が新たな収益源にしようと新サービスをアピール。スーパーやコンビニは、既存の店舗をサービス拠点として活用している。人手不足が懸念される介護事業だが、異業種ならではの新しい視点が課題解決の糸口になるかもしれない。(板東和正)
「次世代」の介護技術
高齢の女性がバランスを崩すと、すかさず介護士が駆け寄って支える。転倒の危険を察知したのはAI-。
今年10月に東京ビッグサイトで開催された国際福祉機器展。パナソニックのブースでは、AIを高齢者介護に活用する新技術が注目を集めた。
人間のように学習を繰り返して理解を深めるAI技術「ディープラーニング(深層学習)」をカメラに搭載。高齢者の転倒の危険性を察知すると、介護士が携帯する小型無線機に知らせる。数年後の実用化を目指しているという。
「AIやカメラ技術を持つ電機メーカーだからこそ、実現できる介護事業だ」。パナソニックの木田祐子・エイジフリービジネスユニット総括主幹はそう力を込める。