みずほ銀行産業調査部公共・社会インフラ室の高杉周子アナリストは「大手異業種の参入によって、中小にはできなかった多様な介護サービスの提供が可能になる」と指摘する。
流通大手のイオンは東京都内や神奈川県など4カ所のスーパーで、リハビリ専用のデイサービス施設を運営。利用者は計1700人以上といい、同社は「介護の専門施設に行くより、慣れ親しんだイオンの店舗に行く方が気楽だという高齢者の方が多い」(広報担当者)と話す。
大阪府東大阪市や広島県など7店舗で、介護の悩み相談などを行う窓口を運営するローソンも地域住民の人気を集めている。
パナソニックエイジフリーの和久定信社長は「他社は競合相手というより、人材不足など介護の問題を一緒に解決する『戦友』だと考えている」と話す。多様な業種が切磋琢磨(せっさたくま)することで、現場の課題解決にもつながることが期待されている。