技術とサービスの最前線は「介護」 相次ぐ異業種参入、AIも戦力に (2/3ページ)

2016.12.17 16:11

AIを活用して高齢者の転倒を未然に防ぐパナソニックの新技術の実験画像(同社提供)
AIを活用して高齢者の転倒を未然に防ぐパナソニックの新技術の実験画像(同社提供)【拡大】

異業種ならでは

 同社は平成10年にパナソニックエイジフリーサービス(現パナソニックエイジフリー)を設立し、介護事業に参入。兵庫、三重など14都道府県で、ショートステイ(短期入所)や日帰りのデイサービス(通所介護)を提供する介護施設18拠点を運営している。

 各施設では、次亜塩素酸を利用した空間洗浄機や、カメラやセンサー技術を応用したリハビリシステムなどの先進製品を活用。今後、AIや「モノのインターネット(IoT)」を使った次世代技術も導入するという。

 先端技術を活用して介護事業に参入するのはパナソニックだけではない。例えば、綜合警備保障(ALSOK)は、高齢者に姿勢の傾きを検知する専用端末を配布し、自宅や外で転倒するとガードマンが駆けつけ、場合によっては医療機関に連絡する有料サービスを27年6月に開始した。

中小事業者を補う大手

 異業種が介護事業に参入する背景には、市場が拡大する一方で、サービスが不足しがちな現状がある。

 日本の65歳以上の高齢者人口(9月15日時点推計)は3461万人と過去最高を更新。一方で、介護事業者の多くを資本金1千万円未満の中小企業が占めている。

パナソニックエイジフリー社長「他社は競合というより『戦友』」

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