ユニーク茶を開発、ブランド強化 ルピシア・森重かをり社長 (2/2ページ)

2016.12.5 06:02


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  • 世界のお茶100種類以上を試飲できるイベント「ルピシアグラン・マルシェ」=山形市

 フロンティア精神あふれる社風も刺激的だった。あるとき水口博喜社長(現会長)から「ハーブはフランスやドイツが本場だ。買ってきなさい」という一言で現地に買い付けに行った。

 従来、茶葉は店頭では銘柄と価格しか示されていないのが大半だった。しかし同社は品種、産地、農園、ロットなど細かい情報を公開している。今では当たり前のことのようになっているが、生産者の顔が見えるような商品アピールのさきがけともいえる取り組みだ。その後、紅茶だけでなく緑茶、ウーロン茶など東洋の茶葉も取り扱うようになる。

ダンスで盛り上げ

 「自分で全て手掛ける」という社風は商品開発以外にも発揮されている。

 会員に届ける月1回発行の会報「ルピシアだより」の企画編集は全て内製化している。全国各地で開く自社製品の試飲会では1カ所で平均1万人を集客する。ここでもイベント事業者の手を借りずに自社のみで運営する。

 「世界のお茶を楽しむイベント」を盛り上げようと、インド・ダージリンへの買い付けに同行したスタッフが、生産者から習った豊作を祝うダンスを披露して来場者の目を引きつけるなど、自由な発想の創意工夫が浸透している。

 森重さんは「魅力ある商品を開発し社員教育を強化することで、ブランドを強化する」と新社長としての抱負を語っている。

【プロフィル】森重かをり

 もりしげ・かをり 東工大大学院修了。1993年資生堂入社。99年レピシエ(現ルピシア)入社。常務取締役営業本部長などを経て、2016年10月から現職。48歳。東京都出身。

                   ◇

【会社概要】ルピシア

 ▽本社=東京都渋谷区代官山町8-13 代官山ハマダビル

 ▽設立=1994年8月

 ▽資本金=2億1700万円

 ▽従業員=1273人(2016年6月末時点)

 ▽事業内容=お茶・茶器雑貨・菓子類の輸入製造販売

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