一方、オーケーは首都圏を中心に約90店を展開する中堅食品スーパーで、28年3月期の売上高は前期比8・9%増の3074億円。米ウォルマートを手本に「エブリデー・ロープライス(EDLP)」を掲げ毎日安値で販売するというスタイルが特色だ。チラシを配り、特売品で客を集める一般的なスーパーとは異なる戦略で安定的に業績を伸ばしてきた。
華麗なる経営者一族
一方で、オーケーといえばオーナー一族の華麗なる経歴が知られる。オーナーの飯田家は、オーケー会長を含む3人の兄弟がいずれも経済界で活躍する。オーケー創業者で会長の飯田勧氏の兄の保氏は居酒屋チェーン「天狗」を展開するテンアライド、弟の亮氏は大手警備サービス「セコム」をいずれも創業し社長を務めた。サラリーマン社長ではなく、創業社長であり経営者としての才覚をフルに発揮してきた。
今回のオーケーの狙いについて、関西スーパー、オーケー両社と大口の取引実績がある食品商社の幹部も「意図は全く分からない」という。一方で、強力なリーダーシップを持つオーナー企業であるオーケーがいずれ何らかの動きを仕掛けるとの見方もある。
スーパー業界は、価格競争の激化で各社とも厳しい経営環境にある。前期の業績では売上高が伸びた社もあるが、生鮮や穀物の価格高騰による価格転嫁があったことが要因で、利益面で厳しい事業環境であることに変わりない。オーケーと関西スーパー。東西の中堅スーパーが今後どんな展開を見せるか。しばらく目が離せない。