オーケーによる株式取得が判明した直後から、関西スーパーの株価は急騰。1株1千円前後で推移していた株価は一時1900円台にまで跳ね上がった。市場ではオーケーがさらに株式を買い増し、経営権を握るのではないかとの思惑も広がり、投資家の買いを誘った。
株取得の狙いは
オーケーによる関西スーパー株取得の狙いは、買収や資本提携など経営権をめぐるものなのだろうか。流通業界の関係者も首をかしげる。両社にこれまで取引実績はない。商品の共同調達などの協業メリットも考えられるが、すでに業界内には連携グループが複数あるため、2社による提携効果も限定的だ。今回の動きについて、関西スーパー幹部も「まったく心当たりもないし、ビジネス上の関係もない」と戸惑いを隠せない。
伊丹市に本社を置く関西スーパーは大阪、兵庫を中心に約70店を展開し、地元密着の「ドミナント戦略」で強固な経営基盤を築いてきた。平成28年3月期の連結売上高は前期比1%増の1200億円。他社との競合や消費者マインドの低迷から業績は伸び悩み、29年3月期の売上高は微減の1198億円を見込む。
また、関西スーパーは共同で調達や研修などを行う全国組織の業界任意団体「オール日本スーパーマーケット協会(AJS)」の発展に尽くした中心メンバーだ。現在もグループでは中核的役割を担い、業界内でも存在感を持つ。