【シリーズ エネルギーを考える】原子力抜きで安全保障は語れない (6/7ページ)

2016.8.25 05:00


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 「もう一つ重要な問題があります。戦後、日本の技術力を恐れた米国によって完全に封じ込められた航空機産業とリンクする部分がありますが、日本の原子力産業のあり方です。技術を封じ込められた航空機産業は欧米が独占し、日本は多大な損失を負うことになったのは歴史的事実です。では原子力はどうかと言いますと、今後の世界の趨勢(すうせい)は、明らかに原発推進となります。そのとき日本の原子力産業が衰退していたら、世界はどうなるか。日本の経済的な利益という問題にとどまらず、日本人の緻密な考え方や技術力を、原発の安全技術に生かし続けていくことが、どう考えても日本が世界に貢献する道なのです。これから世界に大量に普及する原発の安全性を少しでも高めるために、日本人の英知を結集しないでどうするというのでしょうか。日本が原発を止めると発想したら、世界の損失です。原発がもたらす利益を享受してきた日本人は、原発の安全技術で世界をリードしていくという使命を背負っているのです」(聞き手 神卓己)

                   ◇

 ■高浜原発と川内原発訴訟の判決比較

 ≪高浜原発(2016年3月)≫

 決定内容/運転を認めない仮処分を決定

 新規制基準の評価/新規制基準は緩やかにすぎて合理性を欠き、適合しても安全性は確保されていない。新基準が公共の安寧の基礎となることをためらわざるを得ない

 地震など安全対策/過酷事故対策、緊急対策、耐震基準の策定に問題点がある。関電側が主張や説明を尽くしていない

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