【シリーズ エネルギーを考える】原子力抜きで安全保障は語れない (5/7ページ)

2016.8.25 05:00


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 「現在、日本のエネルギー自給率は約6%ととても低く、石油や天然ガスなど多くのエネルギーを海外に頼っています。この状況を考えますと、現時点のテクノロジーからすれば、原子力抜きで日本のエネルギー安全保障は語れないと思っています。ところが、原発を再稼働させることは、『電力会社をもうけさせるだけだ』と考えている人がいます。とんでもないと思います。原発が動かないため高くなっている電気料金は、産業の生死を左右するような問題です。安い電気を安定供給できなければ、産業は衰退し、国民生活に大きな影響を及ぼします。多くの人が中小零細企業で生計を立てていますが、電気料金の高騰は真っ先に中小零細企業の経営を直撃します。それによって失業者が増えれば、世界最高レベルにある日本の治安も悪化し、社会も不安定になるでしょう。これは大変重要な問題であり、電力会社をもうけさせるだけなどという一面的な見方は修正していかなくてはいけません」

 --今後の日本のエネルギー政策はどうあるべきとお考えですか

 「国家の運営は常に綱渡りです。石油や天然ガスなどの資源調達、原発の安全性、地球温暖化問題など、あらゆるリスクを比較し、全体でリスクを最小化する道を選択していくわけです。その際、顕在化しているリスクだけを見るのではなく、潜在的に抱えているあらゆるリスクに目を向けていかなければいけません。エネルギー安全保障やコスト、温暖化問題など多角的な見方を十分提示し、公平に議論したうえで、政策を選択していく必要があると思います」

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