【シリーズ エネルギーを考える】原子力抜きで安全保障は語れない (2/7ページ)

2016.8.25 05:00


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 --原発の稼働に関する司法権限について、最高裁は「裁判所の審理、判断は、当該行政機関の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべき」との判断を示しています。これに対し大津地裁の判決は、原子力安全行政で唯一権限を与えられている原子力規制委員会の決定を簡単に覆すなど、問題が多いとの指摘もあります

 「行政機関の判断を基本的には尊重すべきであることは、どの裁判所も否定できません。ですから、行政の判断が著しく合理性を欠いている場合に、司法が介入するということになります。原子力分野での裁判所の専門性は高くないため、第一義的に行政の判断を尊重すべきということになりますが、そういう司法と行政のチェック・アンド・バランスの本来あるべき姿として、最高裁は判断の枠組みを示しているわけです。その考え方自体は正しいものであるし、誰も否定できません。今回の大津地裁の裁判官もそれを否定しておらず、そのうえで『著しく不合理』と指摘しており、その結論部分は十分議論の余地があります。ただ、司法は謙抑的であるべきで、とくに政治性や専門性の高い分野の判断では、司法は軽々しく違法というべきではないと思います。今回の2つの180度異なる判決も、時間はかかるにしても上級審に進むにつれて収斂(しゅうれん)されていくことになると思いますし、ある意味では、それが『健全で安心できる司法制度』ともいえます」

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