「日本が初めての訪日客が減ってお金の使い方が変わった」との指摘もある。百貨店の苦戦をよそにテーマパークなどは好調で、東京ディズニーリゾート(TDR)の2015年度の来場者数は全体で減少したが、中国を中心とする訪日客は14年度比15%増の181万人と拡大している。
体験型で取り込み
旅行業界は体験型ツアーでインバウンド消費を取り込む戦略だ。日本旅行はインドネシアの旅行会社を子会社化するなど海外事業を強化。オーダーメードツアー販売は前年の約3割増で推移する。JTBグループも、7月分のツアー参加予約者数が前年同期比で1.5倍になった。フルーツ狩りなどが売れ筋という。
政府は20年までに、訪日客の旅行消費額を15年比2倍以上の8兆円に引き上げる目標を掲げる。観光庁の田村長官は「目標は堅持していく。買い物だけに頼らない観光地づくりを進める」と強調した。