【英国の選択】EU離脱に警戒強める現地日本企業 投資戦略に変化も (1/3ページ)

2016.6.17 22:03

15日、オズボーン英財務相(左)とダーリング元財務相は日立レールヨーロッパの車両整備工場を訪れ、英国のEU残留を訴えた=英南東部アッシュフォード(ロイター)

15日、オズボーン英財務相(左)とダーリング元財務相は日立レールヨーロッパの車両整備工場を訪れ、英国のEU残留を訴えた=英南東部アッシュフォード(ロイター)【拡大】

  • 日産自動車が約2億5000万ポンドを投じて新設したインフィニティ「Q30」の専用工場=イギリス北部サンダーランド

 欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票を23日に控え、現地に拠点を置く日本企業が警戒を強めている。離脱が現実となれば、輸出関税などEUとの通商条件も将来的な見直しが避けられず、各社の欧州戦略の妨げとなる恐れがあるためだ。各社は英国内のメディアや政界にも働きかけ、英国民に冷静な判断を求めている。

英首相候補に直談判

 「ビジネスの観点からいえば、当社は残留を支持する。EU離脱は不安定な状況を生み出す」

 5月19日、東京国際フォーラムで開かれた富士通の技術イベントで、山本正已会長は来日していたオズボーン英財務相にこう訴えた。次期首相の最有力候補といわれるオズボーン氏は山本会長の言葉に強くうなずいた。

 富士通は英国に拠点を置く日本企業で最大の約1万4千人の従業員を抱え、過去10年で30億ポンド(約4615億円)、1990年以降までさかのぼると半導体工場など40億ポンド(約6154億円)を投資している。

 富士通は、英コンピューター最大手だった「ICL」が経営難となった90年、7億ポンドで同社を買収。欧州のITサービス拠点となる富士通サービス(FS)として再建し、現在はEU域内最大の事業拠点に育てた。

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