三菱自動車の燃費データ不正問題を受け、下請けや関連企業があえいでいる。岡山県倉敷市の三菱自の主力工場・水島製作所では軽自動車の生産ラインが停止し、従業員の一部は自宅待機が続き、関連企業の受注もストップしている。「三菱自と同罪だと言われると、本当に立場がない。こちらは被害者のはず」と自動車部品会社社長。大企業の不祥事に翻弄される中小企業、関連企業の悲痛な声が聞こえてくる。
「乗用車関係も含めて現在はすべての発注が止まった」と、地元のエンジン関連部品メーカーの関係者。岡山労働局や岡山県などが5月16日、倉敷市で開催した現地説明・相談会でも今回の問題の影響を訴える声が絶えなかった。会には水島製作所と取引のある中小企業や関連会社など43社から約60人が出席。不安な表情で助成制度などの説明に聞き入っていた。
東京商工リサーチの調べでは、三菱自グループと直接取引する1次下請けは、名古屋製作所がある愛知県が278社で最も多く、岡山県も156社を数える。倉敷市は主力工場・水島製作所のおひざ元で“三菱自の企業城下町”といえる。