日産自動車が三菱自動車を事実上の傘下に収めるのは、燃費データの不正問題で信頼が失墜した三菱自を救済する側面が強い。日産は軽自動車の生産を三菱自に委託しており、三菱自の経営が行き詰まると軽事業の戦略転換も避けられないからだ。
ただ、三菱自の燃費不正は全容解明に程遠い状況で、提携が実現すれば日産は同時に大きなリスクを抱え込むことになる。
トヨタも射程内に
「日産は、燃費不正問題に直面する三菱自の課題解決を支援する」。日産のカルロス・ゴーン社長は12日の記者会見で、三菱自の経営立て直しを全面的に支援する考えを表明した。
日産が三菱自を傘下に収める狙いの一つに、三菱自に軽の生産・供給を続けてもらうことがある。日産の軽事業は国内販売の4分の1を占めるが、自前の生産拠点は持たない。