ローランド(浜松市北区)は、自宅での練習に適した電子ドラム用のペダル「KT-9」を開発した。ドラムセットの中で最も音が大きくなる「バスドラム」をたたく「ビーター」を取り除き、代わりに新開発の「リンク構造」を導入し、ペダルの踏み込み具合を感知して、音に変える。これによって生の打撃音や踏み込み時のノイズをなくし、室内や階下への騒音を大幅に減らした。
また、同じ構造を採用したハイハット・シンバル用のペダル「FD-9」も開発。これらを組み込んだ電子ドラムセットやペダル単品でも発売した。静粛性を武器にマンション居住者などの潜在需要を掘り起こしていく。
電子ドラム「V-Drums」シリーズは、電子式ではないアコースティック・ドラムに比べて圧倒的に静かでヘッドホンで音を聞きながら演奏できるため、自宅で電子ドラムを購入する層が年々増えている。
その一方で、ビーターが付いている電子ドラムでは、打撃音やペダルを踏む際に発生する振動が、床面を通じて階下に伝わりやすいことを懸念する声も少なくない。