江崎グリコの主力商品「ポッキー」や「プリッツ」を生産している子会社の関東グリコ(埼玉県北本市)は2012年に本格生産を始めた新工場で、二酸化炭素(CO2)排出量削減と省エネを両立させている。特に温水を作る給湯システムにインバーター制御を行う電気式温水器のヒートポンプチラーを採用、一般的に広く導入されている蒸気ボイラーを使用しないことが特徴だ。これにより効率性やメンテナンスの省力化も進めている。
「江崎グリコグループの環境方針に沿って、従来のポッキーやプリッツの工場よりCO2排出量を25%以上削減している」と関東グリコの土持幹雄社長は説明する。
◆CO2排出量25%超削減
同社はポッキーの生産ラインが3つ、プリッツの生産ラインが2つあり、約500人の従業員が1日でポッキーを7万箱、プリッツを5万5000箱生産している。
大消費地である東京都に近いグループの旗艦工場として、生産の効率性と省エネを高いレベルで両立させることは大きな課題だった。
そこで導入されたのが暖房用の温水を作るヒートポンプチラーだった。同工場ではこのほかに、洗面所などで使用する温水用にエコキュートを併用している。
工場にはヒートポンプチラーを9台、エコキュートを2台導入。蒸気ボイラーを使用しないメリットについて、土持社長は「蒸気ボイラーは途中の配管で蒸気の漏れがあったり、配管が腐食したりするためメンテナンスが大変」と指摘。石油やガスなどの化石燃料を使用する蒸気ボイラーに比べて、CO2排出量も削減できるとも強調している。