鹿島港沖は、ウィンド・パワー・グループ(神栖市)とソフトバンクグループのSBエナジー、オリックスの3社が530億円を投じ、出力10万キロワットの洋上風力を17年度以降に発電開始する予定。新潟県の岩船沖でも、日立造船や日立製作所などが参加する18万5000キロワットの建設計画があり、25年の運転開始を模索する。現在、全国で6件のプロジェクトが計画されている。
洋上風力は海底に風車を固定する着床式の事業化が進んできたが、建設コスト削減や遠隔によるメンテナンス維持管理が課題だ。さらに電気を送る地域送電網整備や需要地へ送電するための連携線をどう費用負担するかの課題もある。
浅瀬が少ない日本での洋上風力の本格普及には、チェーンなどで固定し風車や発電所を浮かせる「浮体式」の普及も欠かせない。福島沖の浮体式の実証試験では、コスト削減の方法や事業化の是非などを見極める。
欧州を追い上げ
日本風力発電協会によると、14年度までの風力発電の設備容量は累計303万キロワットで、30年に洋上を含め3600万キロワットの風力発電を目指している。経済産業省も、30年に風力で1000万キロワット(洋上風力は82万キロワット)を目標に掲げる。