トヨタは「海外を含めて、部品の代替生産のめどがついた」として再開に踏み切り、今後、生産の遅れを取り戻す方針だ。
ただ、大西弘致(ひろぢ)専務役員は4月末時点で約8万台の生産に影響が出ることを明らかにした。米国で好調な「レクサス」などを生産するトヨタ自動車九州の福岡県の工場などは依然、稼働を停止しており、影響が拡大する恐れがある。
グループの愛知製鋼の爆発事故に伴う生産停止では約9万台の生産遅れが出て、2月の鉱工業生産指数がマイナスになったように、今回も日本経済に与えるインパクトは避けられそうにない。
業績予想確定に時間
自動車業界では、ホンダが地震直後の14日から熊本県の二輪工場の稼働を停止。余震で復旧が遅れており、再開のめどはたっていない。高価格の大型バイクなどの生産拠点で輸出も多い。ホンダは業績予想などの確定に「時間を要する」として、16年3月期決算の発表を当初予定の28日から5月13日に延期した。