熊本地震による企業業績への影響が顕在化し始めている。トヨタ自動車は25日、停止していた車両組み立てラインの稼働を一部の工場で再開したが、生産遅れは8万台に達する。ソニーと東京エレクトロンは2017年3月期の連結業績予想の発表を延期。いずれも主力工場の一部が被災し、稼働を停止しており、業績に一定の打撃があるとみられる。被災によるメーカー各社の生産停止は力強さに欠ける日本経済全体に影を落としている。
生産遅れは8万台
トヨタがこの日、再開したのは「プリウス」を生産する愛知県豊田市の堤工場など4工場。宮城県など他の工場のラインも28日にかけて段階的に再開させる。
地震ではグループ会社のアイシン精機の熊本市内の工場などが被災。そのアイシン精機は25日、28日に予定していた17年3月期連結決算の業績予想の公表を延期すると発表。5月中をめどに公表するとしている。
同社の工場被災の影響は関係各社に及んでいる。トヨタはドアやエンジンなどの部品が不足したため、19日から、グループ会社を含む国内のほとんどの工場の車両組み立てラインの稼働を停止した。