ドライバーや倉庫作業に従事する人材の割合が多く、経験年数に比例して仕事の生産性が上昇していく業務が少ないからです。
たとえば、トラックで東京から大阪まで荷物を運ぶとします。不慣れな新人を除けば、3年目の若手運転手も30年目のベテラン運転手も、到着スピードに大きな差はありません。
ベテランになれば、渋滞する時間帯や裏道に詳しいといったことはあるかもしれませんが、カーナビ機能や会社からの情報提供で十分補えます。むしろ、荷物の積み下ろしなどは、体力に勝る若手の方が早いかもしれません。
仕事の生産性に変わりがなければ、年功賃金を維持することは困難です。物流業界の経営環境の厳しさは、ドライバーなどの賃金や労働環境にシワ寄せを及ぼしているのです。
このような状況は、当然「ドライバー不足」というかたちで、物流会社に跳ね返ってきます。