【東日本大震災5年】
災害時に外国人客の安全を守るため、ホテルや百貨店が外国語による館内放送を準備するなど対応を急いでいる。地震がほとんどない地域から訪れる訪日客も多く、揺れを感じるとパニックになりやすいと想定。冷静に避難を呼び掛けられるよう知恵を絞っている。
人気観光地の東京・浅草に近いビジネスホテル「ヴィラフォンテーヌ上野」は1月12日、外国人客を想定した地震防災訓練を行った。
フロントスタッフが館内放送を通じて「地震が発生しました。落ち着いてください」とアナウンス。その後に英語と中国語、韓国語の3カ国語で同様の内容を語り掛けた。部屋を回って取り残された人がいないか確認したり、避難を指示したりする訓練も実施した。
同ホテルの客室数は186室で、宿泊客の半数以上が外国人。フロントの勤務はシフト制で夜間は2、3人になる。外国語が堪能でないスタッフも戸惑わないよう、非常時の文例を3カ国語で事務室の壁に掲示している。