銀行窓口で販売される保険商品の手数料がガラス張りになるかもしれない。金融庁が生命保険業界に対し、販売が好調な外貨建て保険など貯蓄性の保険商品について、銀行が受け取る高額な手数料の開示を検討するよう求めたからだ。業界は3月中旬頃をめどに方向性を出すよう迫られている。金融庁の狙いは顧客の立場に立った金融商品の販売を徹底させることだが、開示となれば営業戦略の見直しは避けられず、手数料の値下げ競争も誘発しかねない。日銀のマイナス金利政策による運用難に続いて、収益を冷やしそうな季節外れの“北風”に、業界には困惑や先行きへの懸念が広がっている。
「ついに来たか」。その一報を耳にし、生保関係者はこう漏らした。
金融庁が生命保険協会に銀行窓販の手数料開示を検討するよう正式に要請したのは1月下旬。だが、水面下では昨年後半から大手生保側と顔を合わせるたびに“介入”をちらつかせていた。
8~9%の設定も
金融庁が手数料開示の要請に踏み切った背景には、銀行窓口で販売される貯蓄性保険が果たして顧客目線に立っているのか、という問題意識がある。対象となる一時払いの外貨建て保険や変額年金などは「特定保険商品」と呼ばれ、一般的な保障性の保険商品とは異なり、投資信託のような資産運用の投資商品としての色合いが強い。