人気の自動車レースシリーズ「SUPER GT選手権」でチーム監督を務める、元F1ドライバーの片山右京氏。自ら設立したスポーツチーム「Team UKYO」では、プロの自転車チームを率いるなど、スポーツ界を中心に幅広く活躍している。現役引退後もここまで精力的に活動するモチベーションは何なのか。それぞれの競技の魅力やこれまでの苦労、今後の展望などインタビューで語ってもらった。(聞き手・大竹信生)
片山氏は1997年にF1から引退。現在は、SUPER GTに参戦する「グッドスマイルレーシング」(以下、GSR)の監督としてチームを支えている。片山氏によるとGSRは、一般的なモーターレースのイメージとは少しかけ離れた「特殊なチーム」だという。
チームを運営するのは、フィギュアなどホビー商品を製作するグッドスマイルカンパニー。メルセデス・ベンツの車体に、人気キャラクター、初音ミクのイラストをあしらった“痛車”仕様のマシンがチームの最大の特徴だ。「ファンと共に走るレーシングチーム」をコンセプトに、サポーターが少額から資金援助できる「個人スポンサー制度」も導入している。片山氏は「GSRのファンは何万人といて、世界的に見ても非常に人気のあるチームだと思います」と語る。
片山氏は監督として、チームにどのように関与しているのだろうか。「レース現場では全体を見ながら、ドライバーの起用法など最終的な意思決定をします。何か起きたときは怒られに行くなどの汚れ役もやりますし、タイヤメーカーや自動車メーカーの間に立って政治的な部分の調整もします」。