【クルマの未来 VWの挑戦】(上)
「中国は、今や『セカンドホームマーケット(第二の故郷)』となっている」
5月下旬、中国で20番目となる長沙工場の開所式で、フォルクスワーゲン(VW)のヨッヘン・ハイツマン取締役(中国担当)はこう強調した。
過去最高となった昨年のグループ販売台数1014万台のうち、中国の販売は367万台を占める。母国ドイツ(109万台)を大きく上回り、欧州全体(389万台)に匹敵する規模だ。
VWは1980年代から、他社に先駆けて中国での現地生産に乗り出し、高いシェアを維持してきた。
2019年までに220億ユーロ(約2兆9700億円)を投じ、現地生産能力を500万台まで高める計画だ。
VWは中国市場でのさらなる成長に向けて、「ゴー・サウス(南進)」と「ゴー・ウエスト(西進)」戦略を掲げた。