純国産か共同開発か…日本の「ステルス機」計画 消えない対米不信感 (2/5ページ)

2015.3.19 06:30

 「米国製戦闘機に依存していては国家は自立できない」としてF3の純国産開発を主張する同氏は、それから四半世紀たった今も「強い米大統領が現れて干渉されると日本の政治家が折れてしまいかねない。オバマ大統領がレームダック化している今のうちにF3の国産方針を決めるべきだ」と米国への警戒心を解いていない。

 果たして米国政府はF3の開発方針に介入するのか。FSX紛争当時、米国防総省安全保障局の日本部長としてこの問題に直接かかわった米ヴァンダービルト大学(テネシー州)のジェームス・アワー教授は電子メールによるインタビューに答え、「日本が独自開発を望むのであれば、たとえ強い米大統領が就任しても日本に米戦闘機の受け入れを『強要する』ことはできない」との見方を示した。

 戦闘機の開発には外交戦略としての側面があり、日本も米国などの戦略を見据えながら開発計画を検討する必要がある。

 田母神氏は空幕長だった2008年8月、ワシントンを訪問し、米国にステルス戦闘機の対日供与を申し入れた。米国を中心に9カ国が共同開発した「F35」ではなく、同じステルス戦闘機ながらF35に先駆けて米国が単独で開発した「F22」だった。しかし米国は供与を拒否。日本はやむなくF35の導入を決めた。

 同氏は、巨費をかけ2機種のステルス戦闘機を開発した米国の思惑を次のように解説する。

 「F35の能力を左右する基本ソフト(ソースコード)は米国が作った。機体は同じでも、ソフトを通して共同開発国に供給するF35の性能を自由にコントロールできる。もう一つは、共同開発国からF35の開発に向け供与された優れた技術を吸い上げ、これをF22に反映させることで世界最強の戦闘機を保有しておく狙いがある」

米国は切り札として、世界最強のステルス戦闘機を門外不出に

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