清水銀行の中島杏奈さん(25)は「初めて出会った人たちだけで知恵を出し合いながら料理を作る過程が興味深い。会社での研修に生かしたい」と話す。エスパルスで営業企画を担当している最年長の林政彦さん(52)は「自由闊達な意見が出た。若い人、女性のパワーを採用して強い組織づくりに生かしたい」と刺激を受けたようだ。
和気あいあいとピザを作り、楽しい試食タイムを経てからが研修の本番となる。調理中も講師はそれぞれのチームの動きを厳しくチェックしていた。レクリエーションから一転し、ピザ作りの過程で気づいたチームワークに求められる要素などを真剣な表情で話し合っていく。
「料理を実際につくることで性格が分かって役割も任せやすくなる」「自分に足りないものを持っている人に影響を受けやすい」「目標は共有できたのか」など組織づくりに欠かせない意見が相次ぐ。各班のリーダーによる発表では感極まって涙ぐむ参加者もいた。 ABC Cooking Studioと共同で研修を開催したキャプランのJアカデミー事業本部コーディネーション部インストラクターの伊東絹子さんは「料理を作ることで個性が短時間で出る。アイデアも出しやすく日常業務では分からなかった意外な得分野も見えてくる」と料理を通した人材研修の利点を説明する。