ただ、通期の営業利益見通しを上方修正したのは、トヨタ、日産、富士重の3社にとどまった。不安要素は国内と新興国だ。
国内市場は増税に伴う駆け込み需要の反動減が長引いており、トヨタとホンダ、富士重が通期の販売台数見通しを下方修正。「消費税だけでなく、構造的な問題があり、人口が減って、厳しい市場になっている」(三菱自動車幹部)。
拡大が続いてきた中国も伸び悩む。ホンダは「中国などその他地域」の通期販売見通しを従来予想より8万5000台引き下げた。値引き競争が激しく、新型車を投入したが「思うように販売に結び付かない」(幹部)ためだ。日産も中国の販売計画を4万8000台減らした。
ロシアでもウクライナ情勢をめぐる欧米の経済制裁や原油安で市場環境が悪化。富士重が中国とロシアに輸出予定だった1万台を米国向けに変更するなど、各社とも対応を急ぐが、新興国販売には先行きリスクがくすぶっている。