実際の異動は、書類選考や面接を経て内定する。面接は、異動を希望する社員と異動希望先の所属長との間で実施。現在の所属長に知られてはいけないため、「仕事が終わってから飲みにいくなど社外で会うこともある」(同社)という。
異動が内定すれば、社員は所属長に報告する。ただ不合格の場合、部下が別の部署への異動を求めて応募した事実は所属長は知らないままだ。“合格率”は約20%と決して高くない。これまで延べ300人以上が応募しているが、多くの部署で所属長の知らない間に面接がされている可能性があるということだ。
思わぬ効果も
社員の「やる気」を重視する一方で、優秀な人材を求める部署にとっても有効な制度といえる。例えば、事業部門のトップといった役職ポストを募集することもある。同じ事業部門内にふさわしい候補者がいない場合や、会社がまったく新しい事業を立ちあげる際、フロンティア精神にあふれる人材を他部署から募集したい場合にもうまく活用できる。