開発にあたって最も苦労したのは、「シースルーを維持しながら、いかにして映像光を目に持っていくか」だった。それでも、初期モデルの「BT-100」の開発にかかった時間はわずか1年半。津田HMD事業推進部長は「いろいろと課題はありましたが、コア技術と生産技術がもともと社内にあり、既存のインフラを活用できたのが時間短縮につながった一番の要因です」と話す。
初期モデルから2年半後に発売された「BT-200」は大幅な軽量化を実現。この革新性が評価され、昨年の「CEATEC JAPAN 2014」(最先端IT・エレクトロニクス総合展)のライフスタイル・イノベーション部門でグランプリを受賞した。
このスマートグラスが持つ可能性は無限に広がる。「単にパーソナルシアターやゲームなどの個人ユースにとどまらず、AR(拡張現実)を利用した教育現場や物流現場での活用、内蔵カメラを用いた遠隔・作業支援などで、すでに実証も始まっています」と津田HMD事業推進部長。今後はさらなる軽量化を目指すとしており、スマートフォンやタブレット端末が時代遅れになるのも、そう遠いことではないかもしれない。
同社のコアテクノロジーを紹介するオリジナルアニメーションは下記のサイトで公開されている。http://www.epson.jp/technology/core_technology/introduction.htm