セイコーエプソンが絶好調だ。格安のビジネス複合機サービスやインク容量を増やした新興国向けプリンターなど、投入する新製品が相次ぎヒット。2013年度以降大きく業績を伸ばし、15年3月期も営業利益が前期比約5割増となる見込みだ。眼鏡型や腕時計型のウエアラブル端末市場にもいち早く参入するなど、今後も事業拡大へ攻勢をかける。
新興国ニーズとらえ
「新しい領域だが、引き合いは多い。期待できる」
セイコーエプソンの碓井稔社長がこう自信を示すのは、コピーと文書の印刷ができる「複合機」を、月々1万円からという格安で利用できる新サービス「エプソンのスマートチャージ」だ。
オフィスの複合機市場はトナーを交換するレーザー式が主流だが、エプソンはランニングコストの安いインクジェット技術で初めて参入。本体や消耗品、保守サービスをすべて含んだ月額料金制という新たなビジネスモデルは「5年の使用で(他社複写機に比べ)コストをほぼ半減できる」(北村光一・エプソン販売の販売推進本部BPMD部長)という。8月の提供開始後、受注は好調で今年度2万件の目標達成が、すでに視野に入ってきた。