■データ見える化 ラケット選びを支援
感覚だけに頼ったラケット選びから、科学的なラケット選びへ-。ダンロップスポーツが開発したテニスの解析システム「スイングラボ」は、精密機器メーカーとの異業種コラボにより、プレーヤーの複雑な動きを正確に測定し、データを「見える化」することに成功。ラケット選びに悩んでいたプレーヤーのもやもやを吹き飛ばす。
ダンロップが実施した意識調査によると、「今のラケットに満足している」と答えた人が30.7%いた一方、「ラケット選びは難しい」(50.4%)、「自分でラケットが選べない」(28.2%)、「しっくりくるラケットが見つからない」(22.3%)など、悩み深いプレーヤーが多いことが分かった。
◆エプソンと共同開発
ダンロップの山本陽介テニス企画開発部課長代理は、理由の一つに各テニスメーカーのラケットの製法や材料、見た目の形状までもが似かよってきていることを挙げる。試打をしても性能の優劣がつけられず、プレーヤーがラケットの選択に迷ってしまうのだ。
とはいえ、ゴルフ用品店では、カメラなどで計測したスイングや打球データを解析し、プレーヤーに合ったクラブを提案している。「テニスでも科学的なデータを使ったラケット選びができないか」(山本氏)と思案していた2009年末、ダンロップとセイコーエプソンのメンバーが参加した異業種交流会をきっかけに、共同開発の話が持ち上がった。