ただ事業を取り巻く環境は決して万全ではない。その一つが建設コストの高騰。建設業界からは「前向きだった管理組合が躊躇(ちゅうちょ)し始めている」といった声も聞こえてくる。高齢化社会の進展も阻害要因の一つ。資金的に余裕がない世帯が増えており、「特に70、80歳代の割合が大きいマンションでは『余命いくら』といった計算が居住者の間で働き、必然的に建て替えに後ろ向きになる」(大手デベロッパー)からだ。
こうした環境を乗り越えて所期の目的通り、事業を拡大できるのか。各社の高度な提案力が試されている。(伊藤俊祐)