2012年7月に導入された再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が、わずか2年余りで行き詰まった。太陽光などの設備が電力会社の受け入れ能力を超えるペースで増え、九州電力や東北電力など電力5社が再生エネの新規受け入れを中断せざるを得なくなってしまったのだ。原子力発電所の再稼働が遅れる中、代替電源や地球温暖化ガスの排出削減につながるとして期待されただけに、再生エネの導入を推進してきた自治体や事業者は戸惑いを隠さない。政府は制度の見直しに入ったが抜本的な対策には課題も多く、事態の打開は容易ではない。
電気代に「しわ寄せ」
「制度設計に失敗したのではないか」。経済産業省で今月15日に開かれた総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委員会(委員長・山地憲治東京大名誉教授)で、委員から厳しい批判の声が上がった。買い取りの申請分を全て接続すると送電容量を上回り、最悪の場合は大規模停電を招く可能性もある事態は、想定すべきリスクの一つではなかったのかという指摘だ。