ただ、リクルートHDは今回の上場で新規に1千億円を調達。さらに株式交換方式による買収なども可能になるため、1千億円超のM&Aも視野に入る。巨額の買収費用が理由で断念していた案件にも手が届くようになり、「財務戦略の多様性が広がる」(峰岸社長)ことが上場の最大の効果だ。
人材派遣事業は全世界で40兆円市場といわれ、今後も成長が見込める。スイスのアデコ▽蘭ランスタッド・ホールディング▽米マンパワーグループ-のトップ3は、年間2兆円超の売上規模だ。
今後は、数千億円規模の中堅企業以下を中心に、大規模な再編が起きるとみられる。リクルートHDは上場によって、世界的な「再編の主役になる可能性は高い」(外資系人材派遣会社幹部)との見方もある。
潤沢な資金を背景とするM&Aの行方が、成長のカギだ。