リクルートホールディングス(HD)が16日、東京証券取引所の第1部に新規上場した。初値は、公募・売り出し価格の3100円を2.3%上回る3170円をつけた。時価総額は約1兆8千億円を上回り、1998年のNTTドコモ(約8兆8千億円)以来の大型上場となる。
株式公開で資金調達力を高め、M&A(企業の合併・買収)や海外展開を加速し、事業拡大に弾みをつける。
リクルートHDは、不動産情報の「SUUMO(スーモ)」をはじめとする販促メディア事業や、就職情報の「リクナビ」などの人材メディア事業が収益を引っ張っている。
中長期的な成長の柱は海外事業で、2012年に米求人検索大手を傘下に収めるなど、これまでも積極的にM&Aを展開してきた。
峰岸真澄社長は「上場によって経営の透明性を明確にし、世界に打って出る」としており、上場で調達する1千億円を活用して、人材派遣事業拡大のためのM&Aやシステム開発にあてる方針だ。14年3月期には23%だった海外売上高が全体に占める比率を、中長期的に50%へ引き上げる。
リクルートは1960年に江副浩正氏が創業。88年には、子会社のリクルートコスモス社の未公開株を政財界の有力者に譲渡したリクルート事件が発覚した。
その後、業績が落ち込み、一時はダイエーの傘下に入ったものの、独自の再建計画を進めることで、ピーク時に約1兆4千億円あった有利子負債を自力で完済した。2012年には持ち株会社となり、14年3月期の連結売上高は1兆1915億円と、過去最高を記録している。